住まいづくりcolumn
2Fにリビングのある 都市型木造住宅
建物が建ち並ぶ周辺環境の中で実現した大きな開口部のある開放的なLDK
生活における利便性の高さなどを考えれば、都市部は住宅地として非常に魅力的な立地であると言えるが、いざ住宅を建てるとなると、そこには様々な難しい問題が見えてくる。今回のお施主様も都市部の駅近く、交通量の多い道路に面した利便性の高い敷地に一戸建て住宅を計画していた。しかし、周囲を見渡せばマンションなどの建物が立ち並んでおり、そうした環境を気にせずに快適に暮らすためのプランが必要不可欠だったという。このお宅の設計を担当した一級建築士事務所「スレッドデザインスタジオ」では、まずは前面道路の交通量の多さを考慮し、LDKを南に面する2階に配置することを提案。LDKの南側には明るさと開放感をもたらす高さ約3mの窓を大きく設けた。その上で、懸念された周囲の建物からのプライバシーについては、バルコニーに背の高いすりガラスのスクリーンを立ててしっかりとガード。周囲を気にせず暮らせる、家族の憩いのLDKを実現している。
もちろん、周囲の街並みにフィットする都会的なセンスを取り入れた意匠性の高さもこの建物のもう一つのポイント。構造躯体は木造でありながら、鉄骨の庇やデザイン的な要素として取り入れたコンクリート壁など、素材使いにも随所にそのエッセンスが光る。
Post:2025.10.03