住まいづくりcolumn
傾斜地を立体的に繋ぐスキップフロアのある家
段差のある傾斜地を逆手にとった、スキップフロアプラン
春には桜が綺麗に咲き誇る、とある閑静な住宅街の並木道。その一画に佇むのはArchitect6(アーキテクトシックス)建築事務所の六鹿(むつが)さんが手がけた、躍動感のあるデザインが目を引くビルトインガレージ付きのコートハウス。建築地は傾斜のある三段に分かれた階段状の敷地で、こうした敷地の場合、一般的には低くなっている方の基礎を高くするなどして全体のレベルを合わせることが多いが、六鹿さんはその敷地条件を逆手に取ってプランを計画。階段状になった傾斜地を活かすため、スキップフロアによって半階ごとに階層を積み重ね、空間が連鎖する立体感と広がりを取り入れたプランを立案した。
ガレージ前のポーチ(車寄せ)を抜けエントランスに入ると、そこは半階ずつ上昇するスキップフロアのある空間。そして、エントランスを抜けた先はLDKになっている。LDKは周囲を壁に囲まれた中庭に面しており、外部の喧騒から隔離されしっかりと室内のプライバシーを確保。安心感とともにゆったりとくつろぎの時間を過ごすことができる空間になった。プライバシーに対する安心感が高いコートハウスにおいては、大きな開口部を設けることができるのもメリットの一つ。フィックス窓も含めた、天井の高さまで伸びる大きなサイズの窓を配置。周囲を壁に囲まれていても、中庭を通してしっかりと日差しを取り込むことができる明るく開放感のある空間が広がっている。
Post:2023.05.02