住まいづくりcolumn
大きな吹抜けが開放的な シンプルな横ラインの家
車と人の行き来がスムーズ。大きな屋根と軒で覆われたリズミカルな暮らし
古い家と混在しながら、落ち着いた雰囲気の住まいが増えつつある旧道沿いの岐阜市街地に完成したY邸。一階屋根部を貫くようにスッと伸びたラインが印象的な外観だ。設計を手掛けたのはLIC・山本建築設計事務所の山本さん。ご夫婦ともお仕事と育児に忙しい日々を過ごすYさんに、家と一体型のカーポート2台分、更に玄関にも勝手口にも濡れずに行ける大きな屋根のあるプランを提案した。来客の車も玄関前の広いスペースに横付け出来きるようになっている。「道路面が北側なので開口部を減らし、横ラインを強調したシンプルな外観になりました」と語る山本さん。一階の壁には杉板を張り、街並みに溶け込むやさしい雰囲気が現わされ、その質感も外観の大きな特徴となっている。
敷地条件から道路面で窓を閉ざしたが、南と東には高い建物があるため冬には高い位置から採光する必要があり、LDKの中央部に吹き抜けを設けることとした。その結果、部屋全体に光が降り注ぐ採光が得られ、内観はこの大きな吹抜けが特徴となっている。
敷地条件を所与として、ご家族が充足する暮らしの最適な選択肢を得たY邸。家の根本的なつくりを踏まえつつ、機能と意匠性も同時に備えた提案が随所に注がれており、まさに建築家と建てる家づくりの醍醐味が感じられる実例だ。
Post:2024.08.02