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住まいづくりcolumn

宙に浮かぶ箱に暮らす 傾斜地に建つ家

木造平屋建て+RC造の地下一階で建てたビルトインガレージのあるコートハウス

 まるで、大きな箱が乗ったようなファサードデザインが印象的なコートハウス。写真ではわかりづらいが、実はこのお宅、敷地の裏手側とは最大5メートルの高低差がある傾斜地に建っている。この家の設計を担当したArchitect6(アーキテクトシックス)建築事務所の六鹿(むつが)さんは、擁壁を造り平らな土地に造成することも選択肢として考えたが、土地自体を高くすることで日常的に階段での昇り降りの機会が増えてしまうため、ベストの選択肢とは言えなかった。そこで、擁壁の代わりにRC造で地下一階をつくり、その上に木造平屋建ての住居エリアを乗せるプランで設計を進めることにした。つまり、「上に乗った箱のような部分」は一階の居住エリアにあたり、宙に浮かせるように配置した箱を中心に、エントランスや中庭を取り込んだ空間をデザインをしているという。

 ガレージの脇にある門をくぐると、上方に向かって2フロアを跨ぐ、コンクリートの壁がそびえるアプローチが目の前に現れる。隣接して大きなガラス張りのエントランス広がり、その開放感はここが地下であることを忘れてしまうほど。エントランスからは上階に向かって階段が伸びており、その先は一階の居住スペースへとつながっていく。

 エントランスから続く階段を昇ると、そこには周囲を中庭の緑に囲まれた開放的なLDKが広がっている。ご家族の生活の中心となる場所として、宙に浮いた箱の中に居住空間と庭を仕切りながら取り込む・・・ここはそんな空間をデザインしている。箱の中では、どこにいても常に中庭や屋外の景色が視界に入り、そのおかげでLDKだけでなく、家中に明るさと開放感のある空間をもたらすという。
 現在、そして未来へと続いてゆく日常を、末永く愛おしみながら過ごすための住まい。六鹿さんはそんな施主の想いや生活に寄り添いながら、この家のあるべき形を見つけだしたのである。

 

Post:2023.10.17