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住まいづくりcolumn

平坦な敷地を生かした 伸びやかに広がる住まい

東南角地という好条件を存分に生かした、伸びやかな広がりを感じる空間をデザイン

 まるで海外の映画にでも出てきそうな、白い壁が美しい佇まいをみせる邸宅。お子さんが生まれるのを機に新居の計画を始めることになった今回のお施主様ご夫婦だったが、もともと建築がお好きだったというご主人には、これから建てる新居に対しても計画当初からいろいろなこだわりがあったという。まず、外観やインテリアのデザインは、ご主人がSNSなどで調べて気に入っているという海外の住宅の雰囲気を取り入れたい。大きな窓から光が差し込む大きな吹き抜けのある開放的なリビング、そして室内からそのままつながる大きなビルトインガレージ、アウトドアリビングとして楽しめる庭も欲しい。

 設計を担当した「スレッドデザインスタジオ」の伊藤さんは、東西に間口が広い平坦な東南角地という好条件を最大限生かすため、まずは敷地北側に建物を寄せ、大きく開けた南側には広々とした庭を配置。頭上の吹き抜けの窓から臨む空の圧倒的な開放感と明るさに加え、庭方向への空間の広がりもリビングにもたらしている。そしてLDKのある住居エリアを中心に、北東側には雨の日でも濡れずに使えるビルトインガレージ、庭の西側にはLDKからそのままつながるタイル張りで仕上げたアウトドアリビングを配置。LDKを中心として各エリアへは無駄なく動線がつながっている。

 庭の西側に設けたタイルテラスはLDKからそのままダイレクトにつながり、庭でもありリビングの一部でもある内と外の空間を曖昧に楽しむアウトドアリビングとして設計。頭上には屋根を設け、造り付けのRCベンチも設置している。ご家族や友人の集まりにはもちろん、まだ小さなお子様が近い将来遊ぶこともできるようにとの想いも込めて、ブランコも設置した。住宅街の一画に位置するということもあり、周囲には目隠し壁も設けてしっかりとプライバシーにも配慮している。
 また、建築地の近くには河川が流れているため、異常気象によって川の氾濫なども珍しくない昨今、万一に備えて建築前に予め少し土地を嵩上げしたり、災害用のインフラとして太陽光パネルによる発電設備も備えたという。

 

 

 

 

Post:2025.04.04