住まいづくりcolumn
断面構成と「へ」の字形状が高低差を活かす家づくり
土地の高低差を利用したビルトインガレージとスキップフロアのある家
長年住み慣れた住まいを建替えることになり、何件かのビルダーや設計事務所に相談をしていた施主のA様。しかし、建築地には東側と西側で1.3mもの高低差があり、その高低差の問題を解決しつつ様々な要望に応えなくてはならないという難しいプランニングが求められていた。高低差の解決に加え、限られた土地の中で、ビルトインガレージで2台+他1台分の駐車スペースを取りながらも広さや明るさを損なわないプランはできないか?そんなことを考えていた時に、スレッドデザインスタジオで今回の提案を受けたという。
複雑に重ねた断面構成と「へ」の字形状のプラン
「他にはない面白いプラン」、これがA様がスレッドデザインスタジオに設計を依頼する決め手だったという。担当した一級建築士の伊藤さんは、その土地のポテンシャルを最大限活かし、限られた土地の中で広い居住空間やお庭を確保するために、上から見た際に緩やかな角度で曲がる「へ」の字のような独特の平面構造を考えていた。玄関アプローチは住まいの顔となる北東の角に配置し、高さを抑えた大屋根をかけた伸びやかなファサードをデザイン。その下に設けたアプローチ階段を上っていくと、その先に玄関、LDKのある1階居住空間が続く動線を設計している。
もともと、建ぺい率の制限の中で出来る限り広くて快適な居住空間を確保するために、伊藤さんは居住空間の下にビルトインガレージを配置するアイディアを持っていた。そこで、1階リビングをスキップフロアにして少し床面を高くすることで、その階下の土地が低い場所に半地下という形でビルトインガレージを配置することにしたのである。こうして複雑な断面構造や建物形状によって生み出された今回のプラン。ただ広いだけの単調な住まいにはしたくなかったというA様にとって、これは他社の提案とは一線を画す魅力的なものだったという。
Post:2024.10.17