住まいづくりcolumn
木組みの力強さと 美しさを露わした家
〈前田建築設計室〉
経年により深みを増す住まい
建て替えで新築することになったケースで、家族が増える予定や、盆や正月などの長期休暇には親類が集うことから、現状の生活に必要とする容量よりも大きな空間を建築主は要望された。
設計を手掛けた前田建築設計室の前田さんは、人数の変化に対応するため「一つの大きな部屋」をつくるプランを計画したが、普段の生活では大きな空間は、エネルギーの消費量など無駄が生じてしまう。そこで、「小さな部屋」を多数つくり、必要に応じて部屋をつなぎ広い空間を確保することを提案。
そして、住まいが周辺地域との間に閉じつつも開かれた関係を築くことができるように、敷地境界際は囲いを設けずに住まいを露わしの状態とした。南面の大きな開口部に設けた木製竪格子戸は防犯格子戸や目隠し戸の機能をみている。
Post:2020.09.29