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住まいづくりcolumn

開放感に包まれる 動線が回遊する平屋建て

暮らしやすさにフォーカスした、
家事・生活動線を取り入れた平屋建てでつくる理想の住まい

訪れる人を招き入れるように敷地の中へと続いていく、奥行きのあるアプローチ。その先に建つモダンな佇いが印象的なS邸は、敷地の奥行きをうまく利用したさりげない目隠しが包み込む開放感溢れる平屋建て。今回、そんなS邸のプランを進める中で最初の大きなポイントとなったのが、「暮らしやすさを高める動線の確保」だったという。毎日、家の中では様々な場所を行ったり来たりしながら生活をしており、特に家事をするとなると、動く回数も距離も相当なもの。そこで、家族の生活スタイルや家事に合わせた効率的な動きができるようにと提案したのが、家中に回遊性を持たせた間取りだった。日々の行動パターンに合わせた効率の良い動線が切れることなく繋がり、家のどこにいても、動きやすい間取りを設計。階段スペースや2階のない平屋建ては効率的な動線を組み立てやすく、そのメリットを存分に生かした設計なのだという。

S邸のプランにおけるもう一つのポイントは、オーパススタイルによる建物、お庭、エクステリアのトータルプランニング。敷地内における高いデザインの調和はもとより、敷地に合わせたアプローチの配置や植栽を使用したさりげない目隠しなど、開放感の演出や機能面においても暮らしやすさを高めている。例えば、ウッドデッキに隣接するリビングは、リビングの掃き出し窓側に小上がりの床を設けることで室内外の高さを均等化。小上がりの床面は造り付けのソファやベンチとして使用できるだけでなく、家の内部と外部の空間の境界を曖昧に繋ぎ、外へと空間が広がっていくような開放感をLDKにもたらしているのである。

家族が集う生活空間の中心となるLDKは、タタミスペースと合わせると26帖の広くて開放的な空間。LDKを回遊する動線の中央、つまり家の真ん中に配置し、家事において多くの時間を過ごすキッチンにも、直接玄関やランドリールームなどへ繋がる動線を確保することで、日常生活の利便性を高める設計をしている。
 

Post:2023.10.17